歯周病治療

歯周病は歯を失う原因として最も多い病気で、静かに症状が進行していくため、気が付いた時には重症化しています。

ほとんどの日本人が成人するまでに一度は歯周病になったことがあるといわれているほど、実は身近な病気です。

歯周病になった時は、早急に治療を進めていかなければやがて歯の喪失につながります。
また、一度歯周病が治癒しても定期的なメインテナンスやPMTCを行わなければ再発のリスクは格段にあがります。

歯周病の進行度

歯周病の進行度は以下の４つに分けられます。

・歯肉炎
・軽度歯周炎
・中度歯周炎
・重度歯周炎

歯肉炎は、歯茎だけに炎症が起こっている状態で、歯茎が腫れたり歯を磨いているときに出血したりします。

歯肉炎

歯肉炎は、骨に影響が出ていないため、適切な治療を行うことで比較的簡単に完治させることができるでしょう。

治療方法は、歯に付着した歯垢を除去できるようにブラッシング指導をしたり、歯石がある場合にスケーリングを行ったりするというものです。

軽度歯周炎になると、歯茎が腫れた状態が続いて歯との境目に歯周ポケットができ、歯周病菌が増殖しやすくなります。

軽度歯周炎

軽度歯周炎になると、歯茎が腫れるだけではありません。

歯を支えている歯槽骨も徐々に溶かされ始めるのです。

骨が溶かされることで、歯茎が下がって知覚過敏が起こりやすくなり、歯の根元に虫歯ができる可能性が高まります。

治療方法は、歯肉炎と同じブラッシング指導とスケーリングのほかに、スケーリング・ルートプレーニングという歯周ポケット内の清掃も行います。

中度歯周炎

中度歯周炎は、歯周病がさらに悪化し、歯を支える歯槽骨も半分ほど破壊された状態です。

歯周ポケットがさらに深くなり、膿が出てきたり口臭が悪化したりする原因となるだけでなく、歯もぐらついてくるでしょう。

治療方法は軽度歯周炎と同様で、ブラッシング指導、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニングを行います。

重度歯周炎

重度歯周炎になると、骨は半分以上溶かされてしまい、歯が大きく動くようになっているでしょう。

歯周ポケットの中に膿が溜まり、歯茎も大きく腫れた状態となって、食べ物を噛むのも困難になってしまいます。

重度歯周炎になった場合、必要であれば歯周外科による治療や、ぐらついた歯の抜歯を行うことになるでしょう。

PMTCとは？

歯周病の治療で重要なのが、PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）という治療です。

歯の専門家である歯科衛生士が、専用の研磨剤などの薬剤や、ブラシなど専用の器具を用いて歯をきれいにする施術のことをいいます。

歯周病の原因は歯周病細菌という細菌ですが、細菌が増える原因に、歯垢や歯垢が固まった歯石があるのです。

歯垢や歯石は通常の歯磨きではなかなか落ちないため、PMTCで徹底的に除去することで、歯周病の悪化を防ぐことができます。

原因となる歯垢や歯石を除去した後も、清潔な状態をキープするために歯科医院で定期的にPMTCを受けましょう。